電脳文字対話 4

:僕はアメリカをいつも批判してばかりいるけど、例のアメリカのCIA情報漏洩事件に関して、連邦大陪審がチェイニー副大統領の首席補佐官(ルイス・リビー)を起訴し、アメリカ国民がイラク戦争の正当性を根幹から覆しかねないこの事件の推移を非常な関心をもって見守っている光景に、言葉と論理を大切にするアメリカ社会の健全性を見た気がする。

:ああ、その事件ね。日本の新聞を読んだだけでは事件の経緯がよく分らないんだが、そもそもどういう事件なんだい?

:2003年のアメリカによるイラク侵攻前、アメリカ政府とCIAはイラクの核兵器開発疑惑に関して、まったく異なる認識を持っていたんだ。ネオコン政府はイラクが核兵器を開発していると言い、CIAはその根拠は薄弱だと主張していた。その後2003年7月にウィルソン元ガボン大使がイラクがニジェールからウランを入手したという文書が偽物であることを明かにしてアメリカ政府を批判したもんだから、政府は頭にきて、マスコミにウィルソンの妻(バレリー・プレイム)がCIA工作員であることを漏らし、ウィルソンの主張がCIAのバイアスのかかった信用できないものであることを印象づけようとした、というわけだ。

:なるほど、にしてもそんな過去のことが今ごろ大きくクローズ・アップされ、大統領の信用が大きく揺らぐとは…。日本ではあまり考えられないことだね。

:日本では、ポチの日本政府はもちろん、大量破壊兵器を破棄しないイラクが悪いのだから先制攻撃やむなし、と当時社説で息巻いた読売新聞など大手マスコミは、いまだにひとこともお詫びや訂正をしていないからね。読売はそれだけでなく、このCIA情報漏洩疑惑事件に関してほとんど報道していない。すでにアメリカ政府と日本政府の御用新聞と化しているといってよいだろう。

:つまりTBSのサンデー・モーニングに出てくるあのチョビヒゲおじさんと同じようなもんか。いつもアメリカ様の都合の良いことしか話さない。

:日本のマスコミは気楽なもんで、アメリカでは、情報漏洩事件で取材源を明かさなかったニューヨーク・タイムズのミラー記者が退職にまで追い込まれている。「大量破壊兵器を廃棄しないイラクが悪い」というネオコンの根拠薄弱な主張を記事として載せることと、その主張に便乗してだからイラク侵攻はやむをえないことだ、とプロパガンダすることとの間には、きわめて大きな飛躍がある。ネオコンの主張が嘘であったことが判明した今、どう考えても、読売新聞など当時プロパガンダしたマスコミどもは謝罪なり訂正なりしなければならないはずだ。最近有名になったフランスのサルコジ内相を真似ていえば、すでに「読売は【社会の木鐸】などではなく、【社会のクズ】だ」ね。また、最近アメリカでは、イラクのフセイン政権がアルカイダのメンバーに爆弾製造の訓練をしていたという元アルカイダ幹部の供述が嘘であったということも明らかになりつつある。どういう形であるにせよ、日本がイラク戦争に加担したということは、もうすでに恥ずべきこととなったといえるだろう。

:小泉首相は、自衛隊の派遣を延長するみたいだが、狂気の沙汰だね。

:外相と官房長官を新たにポチ保守で固めた小泉政権は狂気街道をまっしぐらってわけだ。今日は時間がないからここまでにするけど、次回は米軍再編問題について考えてみることにしよう。



 


(2005年11月23日  2025年9月24日 gooブログより転載)

2025年09月24日