三浦つとむの言語理論、その形成過程について 13
1951年
「なぜ表現論が確立しないか」を書いた1951年、三浦はみずからの言語理論を体系的にまとめる仕事に着手して、ガリ版直筆製の約300頁・11章からなるプリント「言語過程説の展開」を書き上げ、ごく少数の人に配っています(これは1941年に執筆したプリントとは異なります)。けれども三浦はやはり1冊の本として出したいという思いから、これを増補したものを書き上げ、古い友人の協力で某出版社と話が一時まとまるも結局出版されず、のちに内容を大衆的な構成と叙述に改め、講談社から『日本語はどういう言語か』(講談社、1956年9月)として刊行されました。この未公表の「言語過程説の展開」の内容は、時枝理論に対する分析・訂正、上部構造について体系的に述べたもの、および細江逸記の動詞時制研究についての検討などとなっています。また、上田博和氏は、この「言語過程説の展開」の抜き書きが「言語における矛盾の構造」という論文の大部分を占めるのではないかと推察しています。
公になった論文・著書で三浦言語理論の形成過程をたどってみると、次のようになります。
「弁証法は言語の謎をとく」(『思想の科学』、1948年5月)
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「なぜ表現論が確立しないか」(『文学』、1951年2月)
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「言語における矛盾の構造」(『思想』、1954年6月)
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『日本語はどういう言語か』(講談社ミリオンブックス、1956年9月)
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以上は、以下の文献を参照にしています。
○『日本語はどういう言語か』季節社、1999年9月版。解説(上田博和氏)。
○「言語における矛盾の構造 - マルクス主義における言語学」(『思想』、1954年6月)第4節注(9)。『スターリン批判の時代』113頁。
○『言語過程説の展開』(勁草書房、1983年8月)巻頭言。
(2020/6/22 脱稿 2026/5/8 更新、再掲)